今週の相談

立ちゴケの傷をきれいに直す方法は?

ギダンさん BMW F800ST
立ちゴケさせてしまい、グリップエンドとミラーの樹脂部分に1センチ四方のスリ傷ができてしまいました。また、カウルにも1×2センチ程度の斑点傷が付いてしまいました。きれいに直す方法はないでしょうか?
安藤先生の答え

どの程度の仕上がりを望むか

2009年式ということですから、
おそらく購入されて間もないのではないでしょうか?

立ちゴケの傷を元通りに直したい気持ち、よく解ります。

実際の傷の具合を見てみないと何とも言えませんが、 どれくらいのレベルの補修を望まれているでしょう?

「遠くから見て目立たなければいい」というレベルなら、 市販のケミカル類を使って、自分でも直せるでしょう。

しかし、「近くで凝視しても分からないくらい」というレベルになると、 難易度が一気に上がります。


傷のレベルによっては、よほどの経験が無い限り、
DIYで満足のいく補修はほぼ不可能。

必要なものを1からすべて買い揃えるとすると、グリップエンドやミラーならば、
新品に交換した方が安くて早い場合もあるかもしれません。


パテ埋めとペイントが基本

指先で触って凹凸を感じるレベルの傷には、
必ず塗装や本体の削れが伴います。

「遠くから見て…」のレベルであれば、カッターなどでバリを削り落とし、 同色のタッチアップペンを塗れば目立たなくなります。

クルマのボディと違い、バイクのミラーやグリップエンド、カウルならば、 サビの心配もありません。

しかし、これ以上キレイに仕上げるためには、 削れた部分を埋める作業が必要になります。

埋めるためのアイテムとしては、パテ、紫外線硬化型のFRPシート、
カウルリペア(製品名)などがあります。

それぞれに長所と短所がありますが、今回の質問にあるような小さな傷の場合は、
パテ類の食い付きを良くするために傷を大きくする必要があるでしょう。

これをしないと、その後の研磨工程で、
パテ類がはがれ落ちてしまうことが多々あります。

ほんの小さな傷を大きくする…。
なかなか勇気のいることです。

パテ類が硬化したらサンドペーパーなどでフラットになるまで研磨し、
続いて塗装です。

ミラーとグリップエンドは、ブラック系のタッチアップを塗り、
固まってからペーパーとコンパウンドで仕上げればキレイになるでしょう。

問題はカウリングの方。

ボディ同色のペイントはBMWディーラーに注文すれば手に入ると思いますが、
おそらくタッチアップペンだけだと思います。

傷を広げる
 ↓
パテを盛る
 ↓
フラットになるまで研磨する

という手順を踏むとそこそこの面積になり、
タッチアップペンではカバーしきれません。

クルマ用の洗車&リペア系ケミカルメーカーとして知られる「ソフト99」と「ホルツ」から、
タッチアップペンをスプレー状に噴射できる装置が売られています。

これを使えば、タッチアップペンを利用して、 広い面積を早く均一に塗ることができます。

しかし、スプレーはスプレーで、塗りたくない部分をマスキングする手間がかかりますし、 塗り方にもいろいろコツがあります。

そのコツは多分に感覚的なものですから、 ここで文章で事細かに説明しても伝え切れないのが実情です。


要するに、大なり小なり塗装や素材にダメージが及んでしまった傷は、注視しても分からないレベルまで修復するにはパテ等による傷の埋め込みとその後の塗装が必須。

そのパテ埋めと塗装には、かなりの手間と技術、時間に加え、
コストがかかることを認識してください。

もし質問者さんの気持ちが許すならば、この場はタッチアップペンでの応急的な補修もしくはステッカーで隠すくらいで済ませ、この先傷などが増えて来たときに、改めてリペアや交換を考えられてはいかがでしょう。

今回の処方箋
どのレベルまで直したいかによる
傷消しはパテ埋めとペイントが基本
パーツを交換した方が安いケースもある
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安藤佳正

安藤佳正

プロフィール

元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士

月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す るパーツや工具、ケミカルにも精通。 パーソナルHP「and-power.com」を運営。