今週の相談

エンジンオイルの交換方法は?

五輪さん Kawasaki バリオス
今までバイク屋さんに任せっきりでしたが、少しは自分でメンテナンスをしてみ たいと思っています。ちょうどエンジンオイルを交換した方が良いと言われる時 期なので、オイル交換に挑戦してみようと思います。交換の手順と注意点を教え てください。
安藤先生の答え

オイル交換に必要な道具を揃える

オイルの交換時期は、空冷・水冷を問わず、走行距離「3,000kmごと」が目安です。
距離を伸ばすとしても、メーカー指定の「5,000km」までには交換しましょう。

はじめに、オイル交換に必要な道具を用意します。

オイルを排出するドレンボルトを外すための、
「ソケットレンチ」か「メガネレンチ」。

サイズは、車種によって違いますが、だいたい「14mm」か「17mm」です。

新しいオイルを入れるフィラーキャップを外すために、場合によっては、
「コンビネーションプライヤー」か「大きめのマイナスドライバー」が必要にな ります。
コンビネーションプライヤーは、車載工具に入っているもので用が足ります。

廃油を受けるための、オイルパックリ(商品名)などの「廃油処理箱」。

新しいオイルを入れるための「オイルジョッキ」。

こぼれたオイルやパーツの汚れを拭き取るための、
「ペーパータオル」と「パーツクリーナー」も用意しておきましょう。
ペーパータオルは、台所用のキッチンペーパーでいいですよ。

メガネレンチ、廃油処理箱、オイルジョッキ、ペーパータオル、パーツクリーナーを合わせて、2,000円もあれば揃います。 「新しいオイル」も必要です。

エンジンオイルの容量は、車載の取扱説明書に書かれているほか、オイルフィラーキャップの脇にも表示されています。


ただ、ドレンから抜けるオイルの量は全容量の80%ぐらいです。
オイルフィルター(オイルの汚れをろ過する部品)を交換しても90%ぐらいしか 抜けません。

仮にオイル容量が3リッターと書かれていても、
オイル交換時には3リッター入らないことを覚えておいてください。

オイルフィルターは、通常、
オイル交換2回に1回の割合で交換すると良いでしょう。


ドレンボルトとフィラーキャップを探そう

まずオイルを排出するドレンボルトと、
新しいオイルを入れるフィラーキャップを探します。

車種によって違いがありますが、ほとんどの場合は
ドレンボルトは、エンジンの底面
フィラーキャップは、エンジン右側のクランクケース上面
にあります。

オイル量の確認は、
フィラーキャップ先端の棒で確認するタイプ
クランクケース右側下部に設けられた点検窓で行うタイプ
の2つがあります。

エンジンオイルは、温かい方が抜きやすいのですが、
熱すぎるとヤケドする危険性があります。

エンジンが冷えていたら2〜3分アイドリングさせてから、
走行直後の場合はエンジンが素手で触れるぐらいまで冷やしてから、
作業しましょう。

エンジンの下に廃油処理箱を置いたら、
ドレンボルトを外してオイルを排出します。

このときに注意したいのが、ドレンボルトを回す方向。

通常、ボルトは反時計方向に回すと外れますが、
ドレンボルトは下から上に向けてネジ込まれているので、逆方向に回しがち。

注意してくださいね。

センタースタンドの無いバイクは、時折車体を起こしながら、オイルを抜きましょう。

ドレンから出るオイルがポタッ…ポタッとたれる程度まで抜けたら、 ドレンボルトを元通りに締め付けます。

このとき、オイル漏れを防ぐ「パッキン」がドレンボルトについているか、必ず確認してください。


ボルトについていない場合は、エンジン側に張り付いていたり、
廃油処理箱に落ちていることもあります。

このドレンパッキン。
本来は毎回交換するべきですが、たいてい2〜3回は使うことができます。

オイル交換の前にドレンボルトの周囲をチェックし、オイルがにじんでいたら、 新しいパッキンを用意して交換するというパターンでもいいでしょう。

ちなみにパッキンの値段は、1個100円ほどです。

ドレンを締めたら、フィラーキャップを開けて新しいオイルを入れます。

最初に入れるのは「規定量の2/3」ぐらいにしておき、いちどフィラーキャップ を締めて1分ほどアイドリングさせ、エンジンを止めて5分ほど経ってから量を チェックし、足りなければ注ぎ足すようにした方がいいでしょう。


その理由は単純明快。
多過ぎると抜く(減らす)のが大変だからです。

先にも触れたように、最近は車体を直立させた状態で、点検窓でオイル量をチェックするのが主流です。

ですが、フィラーキャップに付いた棒でチェックするスティックゲージ式も、 スクーターを中心にまだまだ使われています。



スティックゲージ式は車体を直立させた状態でゲージをいっぱいまで差し込み、
先端に付着したオイルの位置で量をチェックします。

ゲージは差し込むだけで、ネジ込まないことに注意してください。

オイル量は少なすぎても多すぎても、トラブルの元になります。

アッパーライン(点検窓やスティックゲージにある、これ以上入れてはいけない という上限線)ギリギリまで入れないと気が済まない人も多いようです。

規定の範囲内にさえ入っていれば、いっぱいにする必要はありませんよ。

今回の処方箋
必要な道具類を揃えてから作業にかかる
ドレンボルトの回す方向に注意
ドレンパッキンがあることを必ず確認
オイルは少なすぎても多すぎてもいけない
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安藤佳正

安藤佳正

プロフィール

元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士

月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す るパーツや工具、ケミカルにも精通。 パーソナルHP「and-power.com」を運営。