プラグの交換方法と必要な工具は?
レンチの長さがポイントになる
以前お伝えした「車載工具って必要?」の回で車載のプラグレンチの利便性に触れましたが、無 いのなら仕方ありません。
工具としての質は高くありませんから、
苦労して再入手するほどの必要性はないでしょう。
プラグレンチの選び方ですが、まずはじめにサイズを決めます。

レンチがかかるプラグの六角部分には4種類のサイズがあり、これがプラグレンチと合わないと脱着することができません。
具体的には、六角部分の幅が「20.6mm、18mm、16mm、13mm」の4種類あります。
一部の製品を除いて、大きいサイズから順に、
NGK(メーカー名)では、B、D、C、E
デンソー(メーカー名)では、W、X、U、Y
というアルファベットで表しています。
取扱説明書などで自分のバイクに使われているプラグの番号を調べ、
それに適合したサイズのプラグレンチを購入しましょう。
ホームセンターで通常売られているプラグレンチには、
1.ラチェットハンドルやエクステンションバー(延長棒)を組み合わせて使うタイプ
2.プラグレンチ本体にスパナをかけたり、付属のシャフトを通して回すタイプ
3.最初からT字ハンドルが取り付けられているタイプ
の3種類があります。

ここでは迷わず、(1)のラチェットハンドルを組み合わせるタイプを購入しましょう。
接続部分の差し込み角は「9.5mm」がベストです。
一部のメーカーからロングタイプも発売されていますが、汎用性を考えると標準サイズが無難。
同じ標準サイズでも、bメーカーによって太さと長さが微妙に違います。
その範囲内で、細く長いタイプを選ぶといいでしょう。
最近の4ストロークエンジンのプラグ穴は深いので、
仮に長めのものを選んだとしても、
プラグレンチ単体では穴に潜ってしまってラチェットハンドルでは回せません。
そこで必要になるのが、プラグレンチとラチェットハンドルの間に入れる、
エクステンションバー(延長棒)です。

写真は私の工具箱から適当に引っ張り出したものですが、右上から首振り機構のあるユニバーサルジョイント、50mm、75mm、150mmのエク ステンションバーです。
もっと短いものや、軸がスプリングになったフレキシブルタイプのエクステンショ ンバーもあります。
右下の赤いのはラチェットハンドルとエクステンションバーの間に入れて、ラチェットハンドルを振らなくても指先で早回しできるアダプターです。
左端のラチェットハンドルは差し込み角9.5mmのレギュラーサイズですが、
これも手の平に収まるサイズやヘッド部分が上下に振れるタイプがあります。
これらをうまく組み合わせれば、使いやすいセットができるでしょう。
ちなみにラチェットハンドルはベーシックなもので4,000円ぐらい。
エクステンションは長さやタイプによって1,000〜2,000円というところです。
3,000〜5,000kmごとに交換するのが基本
バイクのエンジンは、クルマに比べて圧縮比が高く常用回転数も高いので、
それだけプラグにかかる負担も大きくなっています。
プラグメーカーが推奨する交換サイクルは3,000〜5,000km。
私の経験からも、5,000kmごとの交換をオススメします。
昔はブラシでカーボンを落とし、外側電極を曲げてギャップ(外側電極と中心電 極の隙間)を調整して再使用したものです。
しかし、磨耗して電極の角が丸くなった時点で、
プラグのオイシイ時期は終わっています。
今は距離ごとに交換するのが基本と考えてください。
ネジ山を傷めないように注意しよう
次に交換時の注意点ですが、プラグキャップを取り外すときに、
必ずキャップ本体を持って引き抜くことが大切です。

コードを持って引っ張るとキャップとコードが抜けたり、
内部で断線する可能性があるので注意しましょう。
プラグを外したときにシリンダー内部にゴミが落ちないよう、プラグ周囲の汚れを落とします。

特に空冷エンジンの場合はプラグの周囲にゴミや砂粒が溜まりやすいので、
必ずエアガンやブロースプレーで吹き飛ばしましょう。
次にプラグレンチを使ってプラグを取り外します。
プラグに対して、
レンチを真っ直ぐに奥まで差し込むことさえ気をつければいいでしょう。

写真で右手を使ってラチェットハンドルのヘッド部分を押さえているのは、回すときにレンチが傾かないようにするためです。
プラグを新品に交換する場合も、外したプラグを再度取り付ける場合も、ネジ山部分に少量のグリースを塗っておくと、次の取り外しが楽になります。

「スレッドコンパウンド」というグリースが最適ですが、熱に強いシリコングリースやチェーングリースでもいいでしょう。
取り付けるときは、プラグレンチにプラグをセットして指先で止まるまでネジ込んでいきます。
なぜ指先で回すかというと、万が一プラグがネジ山に斜めに入ってしまった場合 に、指先なら重くなって回せなくなり、ネジ山にダメージを与えるのを防ぐこと ができるためです。
もしそれに気づかずにネジ山を壊してしまうと、それを修正するためにシリンダー ヘッドを取り外すことになったり、最悪の場合、シリンダーヘッドを交換しなく てはなりません。
プラグのネジ部分は「スチール」、
シリンダーヘッドは「アルミ」で作られています。
場合によっては、簡単にネジ山が潰れることを忘れないようにしましょう。
指先で止まるまでネジ込んだら、
そこからはラチェットハンドルを使って締め付けます。

締め付ける量は、ガスケットが潰れていない新品プラグで半回転から3/4回転。
ガスケットが潰れている再使用プラグで1/8回転が目安。
ネジ径の細いNGKのEタイプ、デンソーのYタイプはさらに少なく、同1/3回転、1/12回転が目安です。
実際に締めてみると「こんなんでいいの?」
と思うレベルですが、これが適正値。
締め過ぎもネジ山を傷める原因になるので、注意してください。
最後にプラグキャップをしっかり差し込んで作業完了です。
3,000〜5,000kmごとの交換が基本
斜めにネジ込まないように注意
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元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士
月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す
るパーツや工具、ケミカルにも精通。
パーソナルHP「and-power.com」を運営。











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