今週の相談

エンジンの冷却水の交換方法は?

おやじライダー400さん カワサキ ZRX400
エンジンの冷却水の交換方法を教えてください。特にエア抜きの方法がわからず困っています。よろしくお願いします。
安藤先生の答え

2年に1回の交換が基本

水冷エンジンの冷却媒体として使われている冷却水。

使われているのは真水ではなく、気温が氷点下になっても凍ることがなく、サビ や水アカの発生を抑える役目も持ったLLC(ロング・ライフ・クーラント)と いう液体を水で薄めたものになります。

一般的な交換サイクルは2年。

エンジンオイルなどと違い、交換時期を過ぎたからといってすぐにダメになるこ とはありませんが、見た目で劣化具合を判断できないものなので、期間を決めて 交換した方が間違いがありません。

環境問題の高まりに合わせて、
4輪では冷却水の交換サイクルが伸びる傾向にあります。

劣化の度合いは4輪車とさほど変わりませんから、
個人的にはバイクも3年ぐらいまで延ばしてもいいかな、と考えています。


各部品の配置を確認してから作業にかかる

冷却水の交換作業は、ドレンボルトを外して古い冷却水を排出し、
ラジエターキャップを外して新しい冷却水を注入。

最後に質問にもあるエア抜きをして完了になります。

しかし、ドレンボルトやラジエターキャップ、リザーバータンクの位置が車種に よってまちまちなので、ひと筋縄ではいきません。

まずは、それぞれの場所を確認しましょう。

ちなみに写真は「スズキ イナズマ400」です。

「ドレンボルト」はドライブスプロケットの前、
ウォーターポンプカバーにあります。

「ラジエターキャップ」はラジエターにはついておらず、
タンクの下。



「リザーバータンク」は右のステップホルダーの裏にあります。

必ずこの3ヶ所を確認してから、作業に取りかかりましょう。

ドレンボルトを外し、ラジエターキャップを外すと冷却水が勢い良く排出されるので、あらかじめ用意しておいた容器に受けます。

ある程度抜けたらラジエターキャップ部からホースで水道水を注ぎ込み、ドレンから出る水が透明になるまで冷却水路内を洗浄します。


車体を傾けるなどしてできる限り排出したらドレンボルトを締めますが、このときボルトに水漏れを防止するワッシャーがついていることを必ず確認してください。

続いて、ラジエターキャップから伸びている細いチューブをたどり、リザーバー タンクにつながっている部分で抜いて、リザーバータンク内の冷却水も排出します。





次に冷却水を作ります。

ジョッキにLLCを入れ、同量の水道水を加えて50%濃度の冷却水を作ります。
作る量は抜いた冷却水を目安にするといいでしょう。

新車状態で入っている冷却水は30%濃度が一般的ですが、
私は50%にしています。

その理由は、冷却水路内を洗浄した際に内部に残った真水で若干薄まること。
50%なら日本中どの地域でもまず凍結する心配が無いこと。
そして、計算が楽なためです。

ただし、濃ければいいというわけではなく、 濃度が60%を超えると逆に凍結しやすくなるケースがあるので注意してください。


最終的にはリザーバータンクで管理

準備ができたら、作った冷却水をラジエターキャップ部からゆっくりと注ぎ入れます。

口元いっぱいまで注いだら、アチコチのラジエターホースを押したり、
車体を傾けたりして水路内に残ったエアを抜きます。


エアが抜けて冷却水が減ったらその都度注ぎ足し、
同じ作業を冷却水が減らなくなるまで繰り返します。

次にエンジンを始動し、冷却水を循環させてエアを抜きます。

泡が出て冷却水が減ったらその都度注ぎ足し、
ラジエターが暖かくなる程度まで続けたら完了。

口元いっぱいまで冷却水を入れ、
ラジエターキャップを締めます。

最後に、リザーバータンクにも冷却水を入れておきましょう。





これで交換作業は完了ですが、エアが完全に抜けていない可能性があります。

そこで交換後の数日間は、
走行後にエンジンが冷えたところでリザーバータンクの冷却水量をチェック。

減っていたらアッパーレベルまで注ぎ足します。

これを冷却水が減らなくなるまで、
目安として走行2回ぐらい行えば完璧です。

最後にLLCの価格ですが、
ブランドにこだわらなければ2リッターで1,000円前後で手に入ります。

LLCには緑、赤、青といった色がありますが、
性能に差はありません。

ただ違う色を混ぜると黒っぽくなって、
色の変化による劣化の判断ができなくなりますから、
混ぜない方がいいでしょう。

冷却水交換をショップに依頼した場合の費用は、
排気量やエンジン型式、作業の難易度によって差がありますが、
おおよそ3,000〜7,000円ぐらいでしょう。

今回の処方箋
冷却水は2年に1回交換が基本
ドレンボルト、ラジエターキャップ、リザーバータンクの位置を確認してから作業にとりかかる
ある程度エア抜きしたら、あとはリザーバータンクで管理
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安藤佳正

安藤佳正

プロフィール

元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士

月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す るパーツや工具、ケミカルにも精通。 パーソナルHP「and-power.com」を運営。