バッテリー上がりを直すには?
なぜバッテリーは上がるのか?
「バッテリーが上がる」というのは、
バッテリーの中に蓄えられた電気の量が一定以下になってしまうこと。
セルが回らなくなる、ヘッドライトが暗くなる、ウインカーの点滅が遅くなる
といった症状が出ます。
質問にある「ジジジ」というのは、
セルモーターに電気を流すためのマグネチックスイッチの音。
電気が足りなくてスイッチを完全に作動させることができず、
中途半端に動いてこういった音が出るわけです。
もっとバッテリーの電気が減ってしまうと、
「ジジジ」とさえいわなくなります。
バッテリーが上がる原因はエンジンの充電系統の異常の場合もありますが、
大抵は長期間放置による放電過多やバッテリーそのものの劣化。
バッテリーは特に何もしていなくても、少しずつ電気を放出しています。
バッテリーが新品もしくはそれに近い状態のときは、
3〜4ヶ月放っておいてもまったく問題ない場合があります。
しかし経年変化などによってバッテリーの劣化が進むにつれて、
その期間が短くなり、上がる頻度が増えていくわけです。
充電して様子を見る
バッテリーが上がってしまった場合は、まず充電をしてみます。
充電には専用の充電器(バッテリーチャージャー)が必要で、しかも近年主流になっているMF(メンテナンスフリー)バッテリーには微弱電流で充電できるタイプが必須になります。
MFバッテリー対応の充電器の値段は、安いもので7,000円ぐらい。
高いものだと1万円を優に超えます。
自分で充電する場合、バッテリーが上がったときにしか出番のないツールに、
この金額を出せるかどうかがまず問題でしょう。
ちなみにバイクショップに充電を依頼した場合は、
半日から1日バイクを預けて1,000〜2,000円ぐらい。
私の知る限り、
ガソリンスタンドにはバイクのMFバッテリーに対応した充電器はありません。
仮に充電器を手に入れたとして、バッテリーを車体から取り外して充電するわけですが、セルが回らないレベルまで放電したバッテリーを満充電するとなると最低でも6〜8時間かかります。
大きな電流で短時間に充電する(急速充電と呼ぶ)こともできますが、これはバッテリーにダメージを与えます。
特にMFバッテリーの場合はバッテリー本体が膨らんだり、最悪の場合破裂する危険性がありますからオススメしません。
充電が完了したら車体に取り付けてエンジンを始動します。
これでセルが元気に回ってエンジンがかかれば、第1段階はクリアです。
そのまましばらく乗って、セルの勢いや灯火類の作動に特に変化がなければバッテリーは問題ないと考えていいでしょう。
しかし、数日でセルの勢いが落ちて来たり、1週間程度乗らなかっただけで再びバッテリーが上がる症状が出たら、充電系統の異常かバッテリーそのものの寿命と判断します。
昔の開放型バッテリーはバッテリー液の比重を測ることで寿命を判断できましたが、密閉式のMFバッテリーはそれができないので、実際に取り付けて判断するしかありません。
テスターがあれば充電後30分ほどしてバッテリー単体で電圧を測り、 12.5V(ボルト)以上あればバッテリーはひとまず大丈夫。
車体に取り付けてエンジンをかけた状態で電圧を測り、
13〜14V(ボルト)を示せば充電系統も無事と判断できます。
テスターは写真のデジタルタイプのもので4,000円前後してしまいますが、バッテリーや充電系統の良否判定のほか、電装系パーツの装着時にも役立ちますから持っていると便利です。
質問の「何とか自力で直したい」というフレーズに「上がったバッテリーを新品レベルにまで戻したい」というニュアンスを感じるのですが、現実には充電して使えるレベルにまで回復させるのがせいぜいで、100%元の状態に戻すことはできません。
バッテリーは使い始めた瞬間から劣化が始まり、
一般的には3年前後、うまく使っても5年前後で寿命を迎えます。
MFバッテリーは、開放型バッテリーに比べて粘り強い特性があり、それまで何とも無かったのに、ひと休みしてエンジンをかけようとしたらウンともスンとも言わないというケースがよくあります。
以前に比べてセルの勢いが弱くなった、エンジン回転数を上げるとヘッドライトが明るくなる、といった兆候が見えたらバッテリー交換を考えた方がいいでしょう。
なお、充電や交換などでバッテリーを取り外す際は、マイナス端子→プラス端子の順に外し、取り付ける際はプラス端子→マイナス端子の順に接続するのが基本です。
これ、必ず守ってくださいね。
最後になりますが、充電器を買いに行くにしても、ショップに任せるにしても、
今バイクを動かせないと困りますよね。
そこで、バッテリーが上がった状態でもエンジンをかけられる、
「押しがけ」のやり方をお教えしておきましょう。
平坦もしくはゆるい下り坂で、
人や車の往来が少ない安全な場所を選んでください。
次にイグニッションスイッチとキルスイッチをオンにし、
クラッチレバーを握ってギアを2速もしくは3速に入れます。
クラッチレバーを握ったままバイクを押し、
勢いがついたところでバイクに跨ってクラッチレバーを離します。
エンジンがボボッと来たら、すぐにクラッチレバーを握ってアクセルで回転を合わせ、
回転が整ったら2,000〜3,000回転ぐらいに上げて、そのまま1分ほどキープしましょう。
この押しがけには、ちょっとしたコツがあります。
また、押しがけとは別にブースターケーブルを使って他の車両から電気を分けてもらい、
セルでエンジンをかける方法もあります。
この辺の詳細は、また改めてお伝えすることにしましょう。
自分でやるなら充電器とテスターが必要
押しがけや他の車両から電気を分けてもらってエンジンをかける方法もある
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元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士
月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す
るパーツや工具、ケミカルにも精通。
パーソナルHP「and-power.com」を運営。











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