スクーターの寿命は?
走り方や整備状況で大きく変わる
スクーターに限らず、バイクの寿命に関する質問をよく頂きます。
これは非常に答えるのが難しい問題です。
答えにくい理由の1つは、走行頻度や走行環境、
メンテナンスの頻度や質によってバイクのコンディションが大きく変わること。
2つ目は、「スピードが出なくなったら」、「エンジンがかからなくなったら」など、
どの時点で寿命と判断するかがユーザーによって大きく異なることです。
そのため、一概に「○○kmで寿命!」とは言えないんです。
バイクは機械ですから、不具合のあるパーツをすべて交換すれば、
100%のコンディションに戻すことができます。
そういった意味では、パーツが手に入る限りバイクに寿命は無いわけです。
しかし、そこにどれくらいの費用をかけるかは、次に購入するバイクとの価格差、
そのバイクに対する思い入れによって違いが出てくるでしょう。
50ccのスクーターでオーバーホールに10万円かかるとしたら、
ほぼ100%のオーナーが買い替えを考えると思います。
しかし、これが2度と買えない絶版名車ならば、
20〜30万円出す人もザラにいるはずです。
今回の質問のケースは日常の足として使用している50ccスクーターで、
走行距離からもわかるように走行頻度は高い部類ですね。
50ccのごく普通のスクーターですから、
仮にオーバーホールするにしても2〜3万円、かけても5万円が限度でしょう。
これを前提に話を進めて行こうと思います。
ミッション系のオーバーホールを考える
2002年型のディオというと、「4ストロークエンジンのスマートディオ」と
「2ストロークエンジンのライブディオ」がありました。
走行52,000kmで「近頃は元気が無くなってきた」という状況を考えると、
おそらく4ストモデルでしょう。
2ストモデルだとこの距離を走って「近頃…」ではまず済みません。
同じ理由からエンジンオイルやプラグの交換、エアクリーナーの清掃といった基本メンテナンスはしっかり行なわれて来たと推察されます。
それを前提とするなら、
エンジンそのもののコンディションはかなりいい状態にあると思います。
52,000kmという走行距離は、
スクーターとしてはかなり走っている部類に入るでしょう。
20年前のモデルならば、
オーバーホールなしにこの距離を走り切るのは不可能だったと思います。
しかし、マテリアルや工作技術などが進化した現代のエンジンは、
基本的なメンテナンスさえ怠らなければ、10万km以上走れる耐久性を持っています。
アクセルの全開率が高く、負荷の大きいスクーターのエンジンも然りです。
ただし、スクーターにはもうひとつ、
一般のバイクには無いメンテナンスポイントがあります。
それがミッションです。
具体的には、変速をつかさどる「ウェイトローラー」と、
後輪へ動力を伝える「Vベルト」です。
「ウェイトローラー」に段付き磨耗が発生すると、
スムーズに変速できなくなります。
「Vベルト」が磨耗して細くなると、最高速度が伸びなくなります。
質問にある「近頃は元気が無くなってきた」というのは、
こういった症状が出ているのではないでしょうか?
そうだとすればエンジンの寿命と考えるのは早計です。
「Vベルト」も「ウェイトローラー」も、2万kmでの交換が推奨されています。
ぜひ交換を考えてみてください。
交換費用は車種によって差がありますが、
「Vベルト」と「ウェイトローラー」で工賃を含めて15,000円見当。
「Vベルト」を挟み込んでいる「プーリー(シープとも呼ぶ)」まで交換しても、
3万円まではしないでしょう。
不調の原因が上記にあり、適切なパーツ交換を行なえば、
質問の状況から判断する限りエンジンそのものはまだまだ走れると思います。
ぜひ、10万kmにチャレンジしてみてください。
寿命は「整備費用」と「新たな購入価格」のバランス次第
乗り続けるなら、まずはミッションの整備を
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10万キロと言わずに100万キロ
2008年04月25日 09:20 | うわん
元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士
月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す
るパーツや工具、ケミカルにも精通。
パーソナルHP「and-power.com」を運営。











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