今週の相談

オイル漏れに「液体ガスケット」を使ってよい?

ta-kaさん ホンダ ゼルビス
エンジンオイルのドレンボルトからオイル漏れを起こしています。どうやらオイルパン側のネジ山を壊してしまったようです。バイク用品店に行ったところ「液体ガスケット」なるものが売っていたのですが、これをボルトのネジ山に塗るなどして、オイル漏れを止めることができるのでしょうか?
安藤先生の答え

止まる可能性はあるけれど…

液体ガスケット(液体パッキンとも呼ぶ)というのは、
シリコーンなどを主成分とした粘りのある液体です。

パーツを組み付ける際に、接合面に塗ることでパーツ間の隙間を埋め、
気体や液体が漏れるのを防ぐ役目を持っています。

いろいろな種類がありますが、塗る部位の隙間の大きさやさらされる温度、漏れを抑える液体の種類によって、肉盛り性や耐熱性、耐薬品性などに違いがあります。

細かな性質は違いますが、基本的な液性や働きは、建材用のコーキング剤や風呂まわりの水漏れ止め剤などと同じですね。


今回の質問のケースは、オイルドレンのネジ山が潰れかかってドレンボルトとの間に隙間ができてしまい、そこからオイルが漏れている状態。


まさに「液体ガスケットの出番」という感じですが、いくつか問題があります。
・塗布面にオイルが付着していると液体ガスケットが定着しない
・状況的に肉盛り性に優れた液体パッキンを使う必要性があるため、塗布後24時間見当はオイルを入れてエンジンをかけることができない
・次のオイル交換時に、ゴム状に固まった液体ガスケットを除去するのに手間がかかる
という点です。

漏れ具合を実際に確認したわけではないので確約はできませんが、
これまでの経験状おそらく漏れを止めることはできるでしょう。

しかし、そもそも液体ガスケットは、すでに発生しているオイル漏れを止めるために使うものではありませんから、上記のようなネガティブな面が出ます。

また、その場では漏れが止まったとしても、
すぐに再発する可能性も払拭できないのが実情です。

ちなみに液体ガスケットはスリーボンド、信越化学、ロックタイト、
パーマテックス(いずれもメーカー名)あたりがメジャーどころ。

バイク用品店やホームセンターで、
200g入りのチューブが1,500円前後で手に入ります。

前述のように種類がいくつかありますから、
店員さんに相談するなどして、必ず用途に合ったものを選んでください。


オイル漏れ止めに特化させた製品がある

液体ガスケットに類似するものとして、オイル漏れが発生している部分に直接スプレーすると、ゴム状の膜を形成して漏れを止める「リークリペア」という製品があります。

これもスプレー前に患部をパーツクリーナーなどで脱脂する必要がありますし、
漏れの原因や程度によって止まるケースと止まらないケースがあります。

「耐熱性の関係で排気系には使えない」「ガソリンに接する部分にも使えない」
「あくまでも応急処置である」など、これにも制約などがいくつかあります。

ですが、オイル漏れを外から止める数少ないケミカルであることは確かです。

「リークリペア」はロックタイトとパーマテックスの2社から発売されていますが、
基本的に中身は同じ。価格は142g入りで1,500円前後です。


もうひとつ、今回のオイル漏れの対策に使えそうなのが「シールテープ」です。

シールテープは厚さ0.1mm見当の薄いフッ素樹脂のテープで、
それ自体に粘着性はありません。

これをボルト側のネジ山に数回巻き付けてからネジ込むことで、ネジ山を通しての気体や液体の漏れを抑える働きがあります。

もともと存在するネジ山間のわずかな隙間をシールするためのものですから、ネジ山が傷んで広がってしまった隙間を埋める役目は持っていませんが、ネジ山が隠れない程度に重ね巻きすることで対処できる可能性があります。

ホームセンターで購入することができ、
価格も幅13mm×長さ15mの製品で200円前後です。


最後になりましたが、ここまで紹介した手立てはすべて応急処置です。

ネジ山を修正するなりオイルパンを交換するのが本来の方法であることは、
忘れないでくださいね。

今回の処方箋
「液体ガスケット」には、原則としてオイル漏れを止める働きはない
「リークリペア」「シールテープ」でも止まる可能性がある
根本的な解決には、ネジ山の修正やオイルパンの交換が必要
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コメント

リークリペアを直接ドレンボルトに吹きかけても大丈夫なのかな?そのまま固まってドレンボルトが抜けない!なんて事になりませんかね?

2009年04月01日 16:54 | blby

バイクに限らず,工具やパーツを扱うときは素手で が基本です,と,昔 バイク誌で達人が教えていました(ドクター須田です).ネジ山壊しとのことですが,ta-ka さん,もしかして軍手して作業しませんでしたか?(ありがち)注意 注意.

2008年05月27日 19:17 | jacopo

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回答者
安藤佳正

安藤佳正

プロフィール

元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士

月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す るパーツや工具、ケミカルにも精通。 パーソナルHP「and-power.com」を運営。