車検切れのバイクを公道で暖機させてよい?
乗らない限りは原則違反にはならない
バイクはエンジンを止めて人力で押している限りは、
歩行者と同じ扱いを受けます。
従って、車検切れのバイクを押して歩いていても、
無車検や無保険の違反に問われることはありません。
ただし、シートにまたがって惰性で進んでいるケースは、
「押し歩き」ではなくなりますから注意してください。
ご質問の道端でのエンジン始動に関しては、グレーゾーンです。
走る意思がなくエンジンをかけているだけのバイクを、
運行状態と見なす文言は道路交通法にはありません。
しかし、仮にその状態で他の車両にぶつけられた場合、
事故処理の過程で無車検、無保険と見なされる可能性は十分に考えられます。
そういったリスクを避けるためにも、歩行者や自転車を含めた交通量の少ない道路、
もしくは歩行者の邪魔にならない広い歩道上で暖機した方がいいでしょう。
警察官に声をかけられたとしても、乗るカッコをしておらず、
理由を説明すれば、少なくとも違反切符を切られるようなことはないでしょう。
短時間の暖機には悪影響もある
「月に1〜2回バイクを押して各部を動かし、エンジンをかけたい」
とのことですが、ここに落とし穴があります。
エンジンをかけてオイルを循環させることは、
エンジン内部のパーツのサビを防ぐ意味では有効です。
しかし、その反面でオイルの劣化やマフラーの腐食を誘発してしまう可能性があるんです。
モノが燃えると水蒸気が発生することはご存じでしょう。
エンジンの中で混合気(空気とガソリンが混ざったもの)が燃えるときも、
同じように水蒸気が発生します。
その水蒸気は、排気ガスとともにマフラーへ送られるほか、
わずかながらピストンとシリンダーの隙間を通ってクランクケース内にも入ります。
通常はそのままマフラーを抜けて外部に排出され、クランクケース内の水蒸気もエアクリーナーに送られて再度燃焼に回されて、最終的にはエンジンの外に出ます。
ところが、エンジンやマフラーが冷えていると、
クランクケースの内壁やマフラー内部に結露して溜まってしまうことがあります。
それでも、そのまま走行していればエンジンもマフラーも温まって、
結露は再び水蒸気に戻って外部に排出されます。
5分程度暖機した場合、水温は上がって走るには十分な状態になりますが、
クランクケースやマフラー後部まで、結露が水蒸気に戻るほど温度が上がるでしょうか?
クランクケース内の結露はオイルに混ざり、
オイルを劣化させます。
マフラー内の結露は、
マフラー内部のサビの原因になります。
とはいえ、環境問題が叫ばれる昨今、
クランクケースやマフラーが熱くなるまで暖機を続けるのも気が引けます。
短時間の暖機を繰り返すことには、
こういったリスクがあることも覚えておいてください。
他の交通に十分配慮して暖機しよう
短時間の暖機にはリスクもある
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元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士
月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す
るパーツや工具、ケミカルにも精通。
パーソナルHP「and-power.com」を運営。











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