キック始動のやり方を教えて!
デコンプとは
ヤマハ「SR400」は、初代デビューから30年というロングセラーを誇る、
ヤマハを代表するモデルのひとつ。
エンジンはシンプルな4スト単気筒で、現在主流のエンジン始動方法であるセルスターターを持たず、キックペダルでの始動のみというのが特徴です。
キック始動というのは、キックペダルを踏み下ろすことでクランクシャフトを回し(=ピストンを上下させ)てエンジンをかける方法。
1気筒あたりの排気量が大きいエンジンの場合、
ピストンが上昇することによって圧縮する空気の量が多く、キックペダルが重くなります。
また、圧縮した空気に負けてペダルが弾き戻される、通称「ケッチン」と呼ばれる現象が発生することがあり、これによって足を負傷するケースもあります。
そこで開発されたのが、デコンプ。
「コンプ」はコンプレッション(=圧縮)の略で、
日本語にするなら圧縮減圧機構とでも言いましょうか。
圧縮工程にあって閉じている排気バルブをわずかに開き、
圧縮を逃がしてピストンを動きやすくしてやるシステムです。

「SR」ではクラッチレバーの下に小さなレバーがあり、これを引くとデコンプが作動しますが、キックペダルを踏み下ろすと自動的にデコンプが作動するタイプもあります。
「SR」の場合、まずキックペダルを軽く踏んで重くなった位置で止めます。ここが圧縮上死点になります。
この状態でデコンプレバーを握り、シリンダーヘッド右側にあるインジケーター窓を見ながらキックペダルをゆっくり踏み、窓に合いマークが出たところで止めてレバーを離します。
この時点で、ピストンは圧縮上死点を少し過ぎた位置に来ます。
ここからキックペダルを一気に踏み下ろして始動するのが、メーカーの指示する方法です。
圧縮上死点を少し過ぎた位置というのは、
ピストンが次の圧縮工程に入るまでで、1往復半あります。
この1往復半の間はほとんど抵抗がかかりませんから、キックペダルを踏み下ろす力がストレートに伝わり、ピストンを勢いよく上下させることができます。
しかし、キックペダルの操作だけで、
抵抗の大きい圧縮上死点を乗り越えたすぐ先でピストンを止めるのは至難の業。
圧縮を抜くデコンプがあれば、それが簡単にできるわけです。
質問者さんは、デコンプを圧縮上死点を出すためのシステムと認識されていたようですが、実際はちょっと違います。その辺、おわかりいただけたでしょうか?
ちなみに圧縮上死点というは、
混合気の圧縮工程においてピストンがいちばん上に行く寸前の状態のこと。
プラグに火花を飛ばして爆発させる寸前の状態になります。
キック始動の基本
というわけで、デコンプというのは、
キックによるエンジン始動を補助するために後から開発された装置です。
デコンプを使用しない方が、
本来のキック始動のスタイルと言ってよいでしょう。
デコンプを使用しない場合は、前述の方法で圧縮上死点を出してから、
ペダルの高さを力を入れやすい位置に動かし、そこから一気に踏み下ろして始動します。
デコンプを正しく使った場合に比べてペダルの踏み始めは確かに重く感じますが、
その後の重さは変わりませんし、始動性にも大きな差はありません。
ハンパな力で踏み込んだり、ペダルを踏み切ったタイミングとピストンの位置関係が悪いとケッチンをくらいますが、デコンプを使ってもケッチンが出るときは出ます。
仕事で何度となく「SR」には乗っていますが、私個人としては、デコンプをあまり意識したことはありませんし、使っても使わなくても始動性に大きな違いはないと思っているのですが、いかがでしょう?
デコンプは必ずしも必要ではない
キック始動の第一歩は圧縮上死点から
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解答ありがとうございました。日々行うキック始動の各々の動作の意味が明瞭になったことに加え、この行為をすることに面白みを感じるようになりました。「儀式」と仰々しく呼ばれる所以が分かってきたような気がします。
2008年08月16日 00:23 | 信楽の狸
私が以前単気筒に乗っていた時は、ギヤを一旦入れて軽く後ろに引き、重くなったところでギヤを抜いてから、キックしてましたが、この方法は理にかなっていたのでしょうか。
2008年08月13日 14:57 | たける
元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士
月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す
るパーツや工具、ケミカルにも精通。
パーソナルHP「and-power.com」を運営。












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