今週の相談

スクーターの速度リミッターの仕組みは?

Zさん ヤマハ リモコンジョグ
50ccスクーターはノーマルだと60km/hまでしか出ませんが、改造すると80〜100km/hも出る車両があるようです。ノーマルでは、どのような方法で制御されているのでしょう?教えてください。
安藤先生の答え

法令ではなくメーカーの自主規制

速度(スピード)リミッターとは、読んで字のごとく、
スピードを一定以上出なくするための装置です。

ご存じのように50ccモデルは、法定制限速度が30km/hと定められており、
それに合わせて60km/h以上出ないようにする装置が取り付けられています。

その他にも、51cc以上のモデルでは180km/hが上限と定められ、
そのスピードが出る可能性のあるモデルにはスピードリミッターが装着されています。

ただし、このリミッターの取り付けは法律によって定められたものではなく、
あくまでもメーカー間の申し合わせによる自主規制です。

そのため、スピードリミッターの様式もメーカーやモデルによっていろいろ。

規制開始当初は、車速の検出をスピードメーターの針の位置で行っていたために、スピードメーターケーブルを抜くとリミッターが作動しなくなってしまうモデルも少なくありませんでした。

さすがに今はそんな簡単に解除できるシステムではなくなっていますが、それでもリミッターの様式が統一されているわけではありません。

ちなみに輸入車と逆輸入車は自主規制の対象外で、
排気量を問わずスピードリミッターは装着されていません。


原付スクーターのリミッターは2種類

様式が統一されていないとは言うものの、排気量やカテゴリーによってかけられるコストが自ずと決まってくるため、ある程度の傾向があります。

180km/hリミッターの場合は、点火系で制御するのが一般的。

ECU(エンジン・コントロール・ユニット)から車速を電気的に検出し、規制速度に達するとスパークプラグに飛ばす火花を間引いて、それ以上スピードが上がらないようにしています。

最近増えているインジェクション車では、
燃料供給も制御に関わっています。

一方、50ccの原付バイクに導入されている60km/hリミッターは、
トランスミッションの形態によって制御方法が異なります。

クラッチの形態にかかわらずギアチェンジを行うタイプのモデルでは、
180km/hリミッターと同じく、点火を間引いてスピードを抑えるタイプが主流です。

対するオートマチックミッション車は、早い話がスクーターですが、
・点火を間引いて抑制するタイプ
・ミッションの変速比を60km/hしか出ないように設定しているタイプ
の2種類があります。

質問者さんが何を目的にこのような質問をされたのか定かではありませんが、
おそらくリミッターをカットしたいのではないでしょうか?

点火を間引くタイプでは、原則としてECUの交換が必要で、
1万円前後の費用がかかります。

変速比で抑えているタイプでは、
ワッシャーを1枚抜くだけで解除されるケースもありました。

すべての車種に当てはまるわけではありませんが、リミッターを解除すると80km/h前後まで、さらに吸排気系とミッションに手を加えると100km/hを超えるようです。

ただし、前後10インチの小径タイヤでそこまでスピードを出すと危険です。
無茶な最高速アップはおすすめしません。

今回の処方箋
点火系と変速系の2パターンある
点火を間引く方式が現在の主流
小径タイヤでの最高速アップはリスクが高い
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回答者
安藤佳正

安藤佳正

プロフィール

元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士

月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す るパーツや工具、ケミカルにも精通。 パーソナルHP「and-power.com」を運営。