今週の相談

ブレーキパッド交換時にキャリパーピストンが戻らない…

えみさん ホンダ FTR223
フロントディスクブレーキのパッドを交換したいのですが、ピストンを押し込んでも戻って来てしまいます。リザーバータンクのふたを開けて作業すれば大丈夫なのでしょうか?その場合、エア抜きもしなくてはいけませんか?普通は押し込んだピストンは戻らないそうですが、何か原因があるのでしょうか?
安藤先生の答え

何らかの油圧がかかっている可能性が高い

ディスクブレーキは、レバーを握る(ペダルを踏む)ことで油圧を発生させ、
その油圧がブレーキホースを通してブレーキキャリパーに伝わります。

その油圧によってキャリパー内のピストンが押し出され、
それがブレーキパッドをディスクに押し付けて制動力を発生しています。

ブレーキキャリパーは、一定のレバーフィーリングを保つために、ブレーキパッドが摩耗するに連れてピストンの突き出し量が増えていく構造になっています。

そのため、ブレーキパッドを交換する際には、突き出したピストンを押し戻さなければ厚みのある新しいブレーキパッドが入りません。

質問は、この時にピストンが押し戻せずに困っているわけです。



原因はいろいろ考えられますが、「押し込んでも戻って来てしまう」ということですから、ピストンが固着して全く動かないというケースは除外できます。

症状から判断するに、何らかの油圧がかかって、
ピストンが戻り切らない可能性が高そうです。


ブレーキフルードを注ぎ足した覚えは?

ピストンを押し戻すと、キャリパー側に移動していたブレーキフルードも押し戻され、
リザーバータンク内のフルードの液面が上昇します。

とはいえ、もともと入っていた量に戻るだけですから、
通常はタンクがいっぱいになったり、あふれたりすることはありません。

しかし、ブレーキフルードを注ぎ足したことがある場合、ピストンを押し戻す途中でリザーバータンクがいっぱいになってしまい、それ以上ピストンが戻らなくなる可能性があります。

ブレーキパッドの摩耗によるリザーバータンク内の液面低下については、ブレーキフルードを注ぎ足す必要はないのですが、単に「ブレーキフルードが減っている」と注ぎ足してしまうケースがよくあります。

いずれにしても、リザーバータンクのフタを外してから、
ピストンを押し戻してみてください。

ブレーキフルードを注ぎ足している場合は、フルードがあふれる可能性があります。

スポイトで吸い取るか、ペーパータイルに吸わせるなどしてフルードを少し減らし、さらにリザーバータンクの周囲にウエスやペーパータオルを巻きつけてから作業しましょう。


ブレーキフルードには塗装を侵したり金属面にサビを呼ぶ性質がありますから、
十分に注意してください。

なお、フルードの量を減らした場合には、新しいブレーキパッドを取り付け、レバーを数回握ってアタリを出した後、フルードの液面がアッパーレベルにあることを必ず確認してください。

フタを外すことでエアが混入する可能性を心配されているようですが、
それは無用です。

行為によってはエアが混入する可能性はゼロではありませんが、少なくともフタを外し、キャリパーピストンを押し戻し、再びフタをするという過程でエアが混入することはありません。

おそらくこれでピストンが押し戻せるはずですが、もし同じ症状が出るようであれば、
ゴミの詰まりやマスターシリンダーの異常の可能性があります。

ショップに相談してください。

今回の処方箋
フルードを注ぎ足したことはないか?
リザーバータンクのフタを外して試す
原則としてエア混入の心配はない
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コメント

フルードを注ぎ足してしまって過量になってしまったのであれば、リザーブタンクを開けるよりも、キャリパーに付いているドレンボルト(勿論先にチューブを付けて廃油受けして)をピストンを押し広げた方が簡単&確実でゴミも入らないと思うのですが....

「今回の処方箋」に誤字があります(5/7現在)

2009年05月07日 12:27 | すももさん

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回答者
安藤佳正

安藤佳正

プロフィール

元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士

月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す るパーツや工具、ケミカルにも精通。 パーソナルHP「and-power.com」を運営。