今週の相談

2ストバイクでエンジンブレーキを多用するとダメ?

オヤジらいだぁ〜さん ヤマハ DT200R
知人から「DT200R」を譲り受けました。免許を取って30年、初めての2ストバイクです。2ストロークバイクはエンジンブレーキ(アクセルオフ状態)を多用し過ぎると、オイルが供給されずにエンジンが焼き付くと聞いた覚えがあります。となると、長い下り坂では前後ブレーキでの減速が中心になりますよね。その場合、ブレーキの加熱が心配です。焼き付き対策として、ガソリンにある程度の2ストオイルを混ぜる方法はどうでしょう?
安藤先生の答え

分離給油方式なら心配ない

「DT200R」、懐かしいですねぇ。
元気なオフロードバイクで、私もしばらく乗っていたことがありました。

最近めっきり見なくなった2スト車。

この先、2スト車に乗ったことも見たこともないユーザーが、
当たり前になっていくのでしょう。

かつて2ストロークエンジンは、
ガソリンにオイルを混ぜて潤滑する「混合給油」が当たり前でした。

私も記憶の片隅にある程度ですが、2ストの軽自動車が当たり前に走っていた頃は、
ガソリンスタンドに混合ガソリンの給油機がありました。

その頃は、各パーツの工作精度が低いこともあって、
よく焼き付いていたようです。

そんな2ストエンジンの信頼性を一気に高めたのが、 「分離給油」方式の登場。

潤滑用のオイルをタンクに貯めておき、エンジン回転数やアクセル開度に応じ て、専用のポンプでキャブレターやクランクベアリングにオイルを供給するシ ステムです。


その後、工作精度の向上と分離給油システムの進化によって、
余計な事をしなければ2ストエンジンはまず焼きつかなくなりました。

さらに、シリンダー内壁に特殊な表面処理を施した、いわゆる「メッキシリンダー」が登場すると、焼き付きとはほぼ無縁になります。

「DT200R」はメッキシリンダーが登場する前の世代のモデルですが、
エンジン構成的には近代レベル。給油方式ももちろん分離です。

無理なチューニングや機械的なトラブルが無ければ、常識的な走行の範囲でア クセルオフのまま長い下り坂をおりても、焼き付く心配はありません。


ガソリンに混ぜてもメリットはない

仮に分離給油システムをそのままにガソリンにもオイルを混ぜたとすると、
必然的にシリンダーに吸い込まれる混合気中のオイルの割合が多くなります。

高性能2ストエンジンの最終型と言える1990年代の分離給油システムでは、
余分なオイルを供給しないようにかなり細かく制御されていました。

それでも、市街地走行が中心だと低回転からアクセルを大きく開けることが多く、
常にカブり気味で走っているバイクが少なくありませんでした。

そこにガソリンにまでオイルを混ぜたら、結果は推して知るべし。

分離給油システムをそのままにガソリンにオイルを混ぜると、
ほぼ確実に「プラグがカブる」「始動性や加速性が悪い」といった不調を招きます。

増してや「DT200R」はその前の世代の2ストエンジン。

焼き付き対策としてガソリンにオイルを混ぜるのは、
やめた方がいいでしょう。

今回の処方箋
エンジンが完調なら焼き付く心配はない
ガソリンに混ぜると不調を招く可能性も
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回答者
安藤佳正

安藤佳正

プロフィール

元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士

月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す るパーツや工具、ケミカルにも精通。 パーソナルHP「and-power.com」を運営。