
ギアチェンジが硬くなった時はどうすれば良い?



まずは操作系のチェック
ギアチェンジが硬くなる原因はいろいろ考えられます。
エンジンオイルの劣化もそのひとつですが、
3,000kmごとに交換されているということですので、その点は問題は無いでしょう。
次に操作系をチェックします。

クラッチの切れは悪くないか。
これはギアを入れてクラッチを握り、 その状態でバイクが押せれば大丈夫です。
シフトペダルの動きは渋くないか。
手でシフトペダルを動かしてみて、 もし重さや引っ掛かりを感じたら、分解してグリースアップしましょう。
そろそろオーバーホールの時期
操作系に問題が無いとすると、次はシフト機構になります。
オートバイのシフトメカニズムは、ペダルの動きを制御するシステムと、
その動きを受けてギアを切り替えるシステムに分かれています。
ペダルの動きを制御する部分は、
クランクケースカバーを外せばチェックできます。
しかし、実際に異常の有無を判断し、必要に応じて修理するには、相応のノウハウや細かな整備情報が掲載されたサービスマニュアル、特殊な工具などが必要になります。

その先、ギアを切り替える部分に至っては、クランクケースを分解しないとチェックすることができません。
実際にバラしてみないと正確なことは言えませんが、6万kmという走行距離を考えると、シフトフォークもしくはシフトドラムというパーツの摩耗ではないかと推察されます。
ショップに依頼した場合も、おそらく「バラしてみないと分からない」という答えになるでしょう。
バラしてチェックするだけでも工賃が発生しますから、
一般的には不具合のあるパーツがあったら交換することを前提にバラすことになります。
ミッションをチェックするということはエンジンすべてを分解することになりますから、
当然「ついでにピストンやピストンリングも…」という話になるでしょう。
要するにエンジンのフルオーバーホールです。
どんな不具合があって、どこまで交換するかによって費用も大きく変わりますが、
私が思い描く範囲では10万円前後の出費になるでしょう。
フルオーバーホールすれば、エンジンのコンディションは新車に近いレベルにまで戻り、
この先まだまだ乗れるようになります。
それだけの費用をかけて復活させるか、それとも買い替えを考えるか、
現状のまま我慢して乗るか。
質問者さんの判断次第です。
少なくとも、オイル交換やオイル添加剤の使用といった簡単な対応で、
現在のギアチェンジの問題が解決することは無いと考えます。

シフト機構のチェックはプロの領域
距離的にもオーバーホールが必要になりそう


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元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士
月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す
るパーツや工具、ケミカルにも精通。
パーソナルHP「and-power.com」を運営。

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