今週の相談

キャブをオーバーホールしたらエンジンが動かなくなった

たまたまさん ホンダ ゼルビス
4年間放っておいたゼルビスをレストアしています。エンジンは何とかかかったのですが、キャブからガソリンがオーバーフローしていたので、バラして清掃しました。すると、今度はエンジンかからなくなってしまい、セルを回すと「パンパンパン」と音がします。キャブをバラすまでは、2気筒とも動いていました。キャブレターのドレンをゆるめると、片方からはガソリンが勢いよく出てくるのですが、もう片方からはポタポタとしか出てきません。解決法を教えて下さい。
安藤先生の答え

オーバーホール後の不調は珍しくない

古いバイクをレストアする過程で、
キャブレターのオーバーホールが必要となるケースは珍しくありません。

それと同時に、オーバーホール後に不調を招くケースも少なくないのが実情です。

「穴の芸術品」と呼ばれるように、キャブレターの内部には小さな穴が無数に、
かつ複雑な形状で開けられており、それぞれが重要な役割を果たしています。

その中で、取り外して確実に詰まりを取り除けるパーツは数えるほど。

それ以外の穴は、キャブレタークリーナーや圧縮空気を吹くことで、
「これで通ったであろう」と判断することが少なくありません。

プロのメカニックは、そこに経験に裏打ちされた感触や感覚を加味して判断しますが、
実際に目で確認できないという点では、一般ユーザーと変わりません。

キャブをオーバーホールしても症状が改善されず、
何度となく分解清掃を余儀なくされることは、プロの間でも少なからずあることです。

ガソリン流入系の異常が濃厚

キャブレターは、まず燃料タンクからキャブレター内に流れ込むガソリンの量を制御。

そして、そのガソリンをエンジン回転数やアクセル開度に応じてエンジンに送り込んでいます。

ガソリンをエンジンに送り込む過程で不具合が発生している場合は、原因が多岐に渡るためその特定が難しく、解決にも時間と手間がかかるケースが少なくありません。

しかし質問のケースでは、ドレンを緩めてもガソリンが勢いよく出て来ないことから、
キャブレターに必要なガソリンが流れ込んでいないことが明白です。

その点では、解決は比較的容易と考えていいでしょう。


キャブレター下部のガソリンを貯めるフロート室には、
「フロート」と呼ばれる浮きが組み込まれています。


フロート室のガソリン量が減ってフロートが下がると、それに接続されたフロートバルブが下がり、ガソリンの流れ込んで来る通路を開けて、フロート室にガソリンを導き入れます。

ガソリンが流入するにつれてフロートが浮き上がり、一定のレベルまで来るとフロートバルブが通路を遮断してガソリンの流入を止める構造になっています。

このとき、

・ガソリンの流入通路が詰まっている

・フロートとフロートバルブが正しく接続されていない

・フロートバルブが固着している

・フロートの動きが渋い、固着している

という事象が発生すると、フロート室にガソリンが流れ込まない=ドレンからガソリンが流れ出ない、という症状につながります。

二度手間になりますが、もう一度キャブレターを分解し、
ガソリンチューブが接続されているパイプから先をチェックすることをお勧めします。

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回答者
安藤佳正

安藤佳正

プロフィール

元MFJロードレース国内A級 国家三級二輪整備士

月刊「オートバイ」を中心に20年以上のキャリアを持つバイクジャーナリスト。
特にメカニズムやメンテナンス、チューニングを得意分野とし、それに付随す るパーツや工具、ケミカルにも精通。 パーソナルHP「and-power.com」を運営。