7.マフラーから水漏れ、これって大丈夫?
自分の車を含め、マフラーから液体がポタポタ落ちているのをよく見ますが、これはガソリン中の水分なのでしょうか。(turtle)
マフラーからポタポタ落ちているのは、確かに「水」ですが、この水はガソリンの中に含まれていた水分ではなく、ガソリンが燃焼した時に化学反応で発生する水(H2O)です。このガソリンの燃焼を簡単な化学式にすると、
ガソリン (CαHβX) + 酸素 (O2) = 二酸化炭素 (CO2) + 水 (H2O) + その他
とあらわせます。つまり、ガソリンが酸素と結合して燃焼すると、二酸化炭素と水、そして少量の有害排気物質が排出されるのです。この有害排気物質が、CO(一酸化炭素)、 HC(未燃炭化水素)、NOx(窒素酸化物)などですが、その量は少量で、排ガスのほとんどは、二酸化炭素と水である、と言ってよいでしょう。
エンジン内でつくられた高温の水は、高温の水蒸気のままマフラーに送られ、外気との温度差で冷やされます。この水蒸気が冷やされ、水になり、ぽたぽたとマフラーの先から落ちて来るのです。
冬の寒い日、私たちの吐く息が白くなります。寒い日の排気も白く、もくもくと出てきます。気温が上がると、白い水蒸気は出なくなり、代わりに水となってポタポタと落ちてくるのです。
エンジン内でガソリンを燃焼させるのに、空気との混合比率が重要です。つまり、ガソリン1g(グラム)に対し、空気が何gあるかという、混合比率、空燃比(A/F)が燃焼状態を左右します。
ガソリンが燃え残ることなく、かつ、空気中の酸素を無駄なく使い切るには、空燃比を13〜15にすると良いと言われています。これを理論空燃比といいます。
A/Fが小さい(ガソリンが濃い)と、CO、HCが発生しやすく黒煙となって出てきます。 A/Fが大きい(ガソリンが薄い)と、NOxが発生しやすく青白い排気が出てきます。
黒煙や青白い排気が出ないで、マフラーから水がぽたぽた落ちるのは、燃焼状態が良く、マフラー部分で十分に水蒸気が冷えている、と考えていいと思います。
マフラーから出る水のポタポタは、エンジンの調子がいい証です。特にエンジンの始動時や、エアコン作動中であれば水がたれることはまったく問題はありません。
ただしマフラー内部に水がたまる場合は故障の原因になることがあるので、水を追い出す必要があるので注意しましょう。
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