10.停車中は「N」?「D」?

AT車で信号停止中、自分はいつも「N」に合わせて止めますが、世間的には「D」にして止まる人が多いと聞きます。停車中は「N」と「D」どちらがいいのでしょうか。どういった違いがあるのかもあわせて教えてください。(よっこい) 今は軽も含めて殆んどAT車となっていますが、信号待ちには「ニュートラル」か「Dレンジ」かどちらに入れていた方が機械的には良いんでしょうか?どちらでも良いんでしょうか?(ケン)

みかみ先生からのお答え

信号待ちの時、AT車のシフトを「D」「N」どちらにしておいた方が良いかを判断するには、次の3つについて考えればいいと思います。

  1. どちらが、ミッションを傷めるのか
  2. どちらが、燃費がいいか
  3. どちらが、操作性がいいか
1:ミッションへの負荷

「N」にした場合、エンジンの力はタイヤへは伝わっていません。

「D」にしていると、エンジンがタイヤを回転させようとします。このため停車中はこの回転力をブレーキを踏むことで、むりやり止めています。 一見、「D」の方がミッションを傷めそうに思えますね。しかし「D」に入れていてもミッションの構造上、停止状態のギアには全く負荷はかからないのです。

負荷がかかるのはトルクコンバーターと呼ばれる流体クラッチの部分です。しかしトルクコンバーターは、停車時の負荷に十分耐えれるように設計されているので、信号待ちの時「D」にしても、全く問題はありません。

むしろ、信号のたびにD→N→Dを繰り返す時のショックの方がミッションへの負荷は大きいのです。

2:燃費は?

信号待ちの「N」は、無負荷のアイドリング状態です。「D」ではロックされたミッションを回転させようとする負荷のためアイドルアップの状態になります。その分燃費は悪くなります。

3:操作性は?

AT車は、「D」でブレーキから足を離すと、スルスルと前進します。これはクリーピングというAT車特有の現象です。ブレーキを離せばアクセルを踏まずにスルスルと前進するので渋滞のノロノロにはとても便利な現象ですね。ただし、停車する際微妙なブレーキワークに慣れるまではガックンと止まってしまうことがあります。

ブレーキをかける時に「N」に切り替える場合、停車時のこのガックンと揺れる現象は簡単に抑えられます。しかし、再発進時に「D」に戻し忘れる危険などを考えると、結果的に「D」のまま停車した方が楽だと言えるでしょう。

以上の3点を考えると、信号待ちの際「D」と「N」、どちらが正しいとは言えませんが、

  • 燃費のためなら「N」、
  • ミッションのため、操作性のためなら「D」

と、あなたにとっての重要度を考え、判断してみてください。

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