39.ATFとデフオイルの交換タイミングって?

オイルの交換について質問です。国産車ではATFを4万キロで交換などとメーカーで交換を進めていますが、私の外国車(BMW)ではATFは10万キロ、デフオイルは無交換ですとディーラーに言われました。ちまたでは10万キロで交換すると沈殿していた鉄粉が、新しい堅いオイルで舞い上がり、 ATFを破壊してしまうという話も聞きます。長く乗りたいのですが、ATFは本当に10万キロ、デフオイルは本当に無交換で良いのでしょうか。オイルの劣化を考えるとどうも信じることができません。長く乗るときの最善の方法はディーラーの勧めに従わず、オイルを交換することなのでしょうか。教えてください。(ごじごじ)

みかみ先生からのお答え

ATFもデフオイルも、4万キロで交換といわれています。 ATFやデフオイルの正確な交換時期を判断するのは、とても難しいものです。 ミッションやデフの当たりはずれ、使用方法、使用する路面状況などによって、交換すべき時期というのは大きく変わってしまいます。 10万キロ交換しないでも、トラブルがないクルマもあれば、交換してもわずか2万キロでトラブルを起こすクルマもあります。 それぞれのクルマの使用状況がわからないために、一般的には4万キロで交換をしておいたほうが良い、と言われるのです。

BMWはATF10万キロで交換、デフオイル無交換ということですが、オイルのチェックをしなくていいということではありません。条件がよければ、ATFは10万キロ交換しなくてもいいし、デフオイルは無交換でもいいということです。

ATFもデフオイルも適当な時期にチェックして、必要なら交換したほうがいいと思います。

ATFのチェック

ほとんどのATFは赤く着色され、未使用では透明度の高い赤い色をしています。赤ワインのような色です。このATFは長期間使用すると、黒褐色に変わってきます。どのくらい変化したら交換するかを、経験的に決めておくのがよいと思います。

  • 透明度が無くなり、エンジンオイルのように黒くなると AT内部のブッシュやギアの磨耗による変色の可能性があります。
  • オイルを太陽光にあて、金属粉の有無をチェックします。金属粉が確認できるようなら、異常磨耗の可能性があります。
  • 気泡や泡立ちがあるようなら、オイルの量が異常です。多くても少なくても気泡ができることがあります。

もし、いつもと違う色や粘度(ドロドロ状態)、金属粉、気泡があればディーラーへ行き相談することになりますが、ほとんどの場合はATFを交換して様子を見ることになります。 ATが故障した時はほとんどの場合、部分的な修理ではなくオーバーホールすることになりますので、止まるまで使ってしまうことが多いのです。

ATはなかなか故障するものではありませんので、「ATFを交換せずに10万キロを走る」と言う考え方も間違いではありません。そのくらい故障しないものです。しかし定期的に交換するほうがいいのは確かです。どのくらいで交換するか、チェックを続けながら目安を作ればいいと思います。ディーラーに状態を聞きつつ、知識を深めていってください。

注:長期間交換していない場合、ATFを全量交換するとトラブル場合があります。5万キロ以上交換していない場合は半量だけを交換し、様子を見てまた半量交換したほうがいいと思います。ディーラーに相談してください。

デフ(デファレンシャル・ギア)のチェック

デフのドレンプラグは、磁石になっています。磨耗した金属粉が沈み、プラグの裏にくっつくようになっています。プラグをはずしてみれば磨耗状況がわかるのですが、4万キロも走ると、かなりの金属片が付きます。

デフも、ATF同様なかなか故障するものではありません。廃車まで何もしない方も多いものです。しかしオイル漏れを起こすとデフ焼きつくことがあります。一度焼きついてしまうと修理をせず、新品交換になることもありますので、ときどきプラグを外しオイルをチェックするのは大切です。

ATF、デフオイルに無関心な方が多いようですが、どちらも4万キロをめどに交換するのが、愛車に長く乗る秘訣かもしれません。

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