26.ハイブリッドカーの魅力

○こんにちは、車を買い替えようとハイブリッドカーを検討しています。そこで知りたいのですがハイブリッドカーの蓄電池はどのくらい長持ちするのでしょうか?またバッテリーみたいに交換しなければいけないものなのでしょうか。(通りすがりの者) ○ハイブリッドカーと普通の車ってどう違うのですか? (もうすぐ買い替え予定)

みかみ先生からのお答え

トヨタのプリウスに搭載されている「ニッケル水素バッテリー」は、一般の鉛バッテリーのような定期的な交換は想定されていません。メーカー保証も5年または10万kmと長いものです。消耗品というよりエンジン部品の一つと考えていいようです。

というわけで今回はハイブリッドカーの車としての大きな魅力についてご説明したいと思います。

トヨタのプリウスの場合でご説明します。プリウスのカタログを見ると、世界トップレベルの、35.5km/lという燃費が目に付きます。しかしハイブリッドカーのプリウスは、燃費だけでない基本的な車の魅力を秘めています。この魅力がCMでもパンフレットでも、ほとんど語られていないことは、私には不思議でなりません。

さて、ちょっと話はそれますが、私が現在乗っている車は、ユーノス コスモ、3ローターのロータリーエンジンです。この車に乗る最大の理由は、エンジンのトルクです。

最高出力(net)280ps/rpm、最大トルク41.0kg-m/rpm、この41.0トルクが私の車の魅力だと思っています。トルクが大きいとちょっとアクセルを踏めば、グッと加速します。アクセルレスポンスがいいのです。 発進の時も、ちょっとアクセルを踏むだけ。追い越しの時も、ちょっとだけアクセルを踏むだけで加速するのです。

昔の車は、パワーはありませんでしたが、トルクが大きかったので、とても乗りやすく運転しやすく感じました。しかし排ガス規制が厳しくなるにしたがって、燃料を濃くすることでトルクを稼げなくなり、アクセルを踏んでも、トルクが無く、加速感が感じられなくなりました。現在の車はエンジンはうなるけど、アクセルを踏んでも反応がない、運転しにくい車が多くなってしまいました。

ハイブリッドカーに話を戻しましょう。

ハイブリッドカーでは、エンジンキーを入れてONにしても、エンジンは回りません。無音のまま車が起動します。そしてモーターとエンジンを自動で使い分けながら走る仕組みとなっています。このモーターとエンジンはどのように動くのでしょうか。

発進・低速走行では、モーターだけで走ります。静かでしょうね。 通常の走行では、エンジンが回りだし充電しながらモーターと一緒に駆動します。 加速時は、バッテリーから加速用の電気を供給しモーターのトルクで加速します。

この加速時がプリウスの特徴です。加速に用いるモーターのトルクは、なんと40.8kg-m/rpm、3ローターと同等の力を持っているのです。 モーターとエンジンのトルクをあわせると、なんと48.7kg-m/rpm。

皆さんは、長い登り坂をスイスイ追い越してゆくプリウスを見たことはありませんか?登り坂になったらアクセルベタ踏みでも減速してしまう最近の車と違って、プリウスのトルクは、車本来の運転の楽しさを秘めているのです。

ちなみに、トヨタで見ると

  • Vitzのトルクは 11.8kg-m/rpm
  • セリカは 18.4kg-m/rpm
  • クラウンアスリートは 38.4kg-m/rpm
  • セルシオでやっと 43.8kg-m/rpm

プリウスの48.7kg-m/rpmが、いかにトルクの大きなエンジンかがわかりますね。 トルクが大きいほど、微妙なアクセルワークへの反応がよく運転の楽しさが判ります。プリウスに乗った時、これが車なんだと感じるような気がしています。

ハイブリッドカーは失いかけていた車の魅力を、復活させてくれる息吹を感じます。

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