13.ワゴンRの3つの故障
H12年式のワゴンRに乗っているのですが(新車で購入:4WDターボつき)、最近低速での振動が感じられることがあります。振動が起こるときと起こらないときがあり、また高速でずっと走っていて駐車場に入ろうとするとき、ハンドルが重たく感じることがあります。 今年になってバッテリーが上がり、交換を3回行いました。ディーラーに持って行き、オルタネーター等点検していただきましたが異常なく毎日ドキドキしながら運転しています。 電気系の問題でしょうか?それともエンジンの問題でしょうか?今のところATF、パワステオイルの交換を考えています。(katsu)
自動車の故障には、わかりやすい故障とわかりにくい故障があります。症状を聞くだけで、「たぶんあそこの故障だろう」と判断できるのが判り易い故障、逆にいくつかの原因が考えられ、原因を一つずつ、つぶしながら判断していかなければならないのが、判りにくい故障です。
また、症状が常に出ているかどうかも故障を判断するには重要なポイントです。時々症状が出るような故障は、難しい修理になることが多いのです。
さて、ではkatsuさんの症状を整理してみましょう。
- (1)時々、低速で振動がでる。
- (2)高速走行後、時々ハンドルが重くなる。
- (3)今年、3回バッテリーを交換した。
(1)(2)の症状は、常に出ているわけではないようです。つまり、(1)(2)に関しては、難しい修理になる可能性があります。
まず、(3)バッテリーの交換について考えてみましょう。
9ヶ月で3回も交換するのは異常です。バッテリーを数ヶ月でダメにするにはライトの点けっぱなしや、異常放電をしない限り考えられません。充電機で充電すれば復活するものを交換してしまったのではないでしょうか。考えなくてはいけないのは充電不良、充電不足です。オルターネーターは正常なようなので、次のようなチェックをしてください。
夜、あるいは暗い駐車場で、壁に向かってヘッドライトを点けます。エアコン、ラジオ等を消し、ライトの明るさをチェックします。アイドリングの時の明るさと、エンジンの回転をあげた時の明るさを比較します。回転をあげると明るく、アイドリングで暗くなるようなら充電不良です。
明るさに変化が無ければ、エアコンをつけて同じチェックをしましょう。明るさが変わるようなら、エアコンON時の充電不良です。
どちらも明るさに変化が無ければ、新しいバッテリーがあがることは、ちょっと考えられません。
では(1)(2)について考えてみましょう。
ワゴンRを含め最近の車は、ほとんどコンピュータで制御されています。 このため、昔のように経験と勘に頼って修理するのが難しくなっています。その反面、コンピュータのおかげで、正確ですばやい故障判断ができるようになりました。それが、コンピュータの故障診断システムです。
各メーカーは、車を発売する時に、車種ごとに故障診断システムのソフトを完成させます。これにより全国、どこの修理工場でも正確な故障診断ができるようになっています。このシステムに接続するだけで、電気系統やセンサーのどこに異常があるか、すぐにわかるようになっているのです。なかには故障の過去記録、つまり一時不良となって現在正常なものの記録まで残してくれるものもあります。
ワゴンRの故障診断システムを持っているディーラーで診断してみてはいかがでしょうか。(故障診断システムを持っていないディーラーもありますので確認して下さい)
ちなみに私の勘ではkatsuさんの症状はアイドリングの低下によるもののではないかと考えています。
- アイドリングの低下によるエンジンの振動
- アイドリングの低下によるパワステの機能低下
- アイドリングの低下による充電不足
また、ATF、パワステオイルは直接原因ではないように思います。
あくまで推測ではありますが、お役に立てば幸いです。
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