18.オーバードライブオフって?
○AT車の運転ですが、私は減速時オーバードライブオフのスイッチを押して若干のエンジンブレーキを必ずかけています。オーバードライブオフのスイッチは使いすぎると問題がありますでしょうか。(波導の勇者ルカリオ) ○トヨタのルシーダを運転していますが、「O/D OFF」はオーバードライブなしという意味ですか?いつオーバードライブを使うのが有効なのか知りたいです。またどのような効果があるのですか。これを使ってエコドライブできますか?(tanbien)
オートマチックのシフトには、普通2つボタンがついています。一つはシフトを切り替えるときに使用するボタンです。停車「P」に入れるときに、いつも押しているボタンですね。ご質問のボタンは、もう一つのボタンのことでしょう。車種によって、その機能や表示が多少違います。「O/D」と表示されるものや「HOLD」と表示されるものがあります。車種によって、もっと他の表示をするものがあるかもしれません。
今回は「O/Dボタン」についてお話します。
O/Dボタンは、ONでO/D機能を利用し、OFFで利用しない、つまり- ON ⇒ 自動的に、必要に応じてO/Dに切り替わる
- OFF ⇒ O/Dには切り替わらないということです。
では このボタンは どんな時にONにし、どんな時にOFFにするのでしょうか。
一般的に シフトは「L(or1)」⇒「2」⇒「D」の3つの位置があります。
- O/D─ON シフト「D」で発進してみましょう。
スピードが増すにつれ、L⇒2⇒Dと自動的にシフトアップしてくれ、走行状態によってO/D まで切り替わります。上りの坂道に差し掛かりO/Dで力不足になれば自動的にO/D⇒D にシフトダウンしてくれます。さらに急な坂道でDでも力不足なら、あなたはもっとアクセルを踏むでしょう。そうすると、さらにD⇒2 もっと急なのぼり坂なら2⇒1まで自動的にシフトが変わります。
Dレンジで運転すればマニュアル車のようにシフトを切り替える必要が、まったくない これが フルオートマチック ですね。しかも、ギア比の関係で、 O/Dを使えば使うほど、燃費がいいのです。エコドライブの為にO/Dが付いていると理解していいでしょう。
- O/D─OFFで走るとどうなるのでしょう。
ONと同じようにL⇒2⇒Dと自動的にシフトアップしてくれます。しかし O/Dにはなりません。O/DーOFFでは、どんなにスピードを上げてもO/Dにはなりません。O/Dの機能がOFFになっているからです。
ではいつもO/DONでいいの? どんな時にOFFにするの?
O/Dは燃費には いい効果がありますが、1つだけ欠点があります。その欠点をおぎなうためにOFFが必要なのです。長い坂道を下りましょう。下りでは当然スピードが上がり気味です。ブレーキを踏みつつ下りますね。その時のオートマチックは、エンジンの力不足を感じません。エンジンの力不足を感じなければ、O/Dのままで走行します。
これがオートマチックの唯一の欠点なのです。
O/Dでは、ほとんど エンジンブレーキがききません。O/Dのまま坂道を下ると減速はブレーキに頼るしかなくなります。長時間ブレーキを踏みながら長い坂道を下るのは非常に危険なのです。ブレーキが発熱しベーパーロック現象が起き、突然ブレーキが全く効かなくなることがあります。しかも下り坂で……。
下り坂では、必ずエンジンブレーキを使用しなければいけません。
- このように下り坂でエンジンブレーキを効かせるためにOFFがあるのです。
ではどのように使えばいいのでしょうか。
下り坂にさしかかります。一般道の下りでは迷うことなくOFFにします。 OFFにすればシフトは強制的にO/DからDになります。Dなら、多少エンジンブレーキが、かかります。下りが続きスピードが上がりそうになったらブレーキをかけ、スピードを落として道がまっすぐな時にシフトを2に落とします。さらにグッとエンジンブレーキがかかります。
カーブの途中でハンドルをきりながらシフトを変えてはいけません。 O/D onのまま 2にシフトダウンするのも良くありません。急なエンジンブレーキやカーブでのエンジンブレーキは車の挙動を不安定にしますので注意しましょう。
OFFボタンはエンジンブレーキをスムーズにかけるための大切なボタンなんですね。大切なボタンだから遠慮なく使いましょう。使いすぎてトラブルということはありません。
「下り坂に差し掛かったら、まずOFFボタン!」
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