65.反対側にハンドルを切って曲がるのはなぜ?

よく右折や左折時に反対側にハンドルを切るドライバーを見かけます。右折するのに左側の縁石に乗り上げんばかりにハンドルを切る人や、トレーラーでもないのに、軽自動車で見栄を張っているのではないかと思われるほど滑稽な曲がり方をするドライバーもいます。そんなことやらなくても楽々曲がれるのにと思うのですが、このほうが曲がりやすいのでしょうか?もし、右折や左折時に反対側にハンドルを切る癖のあるドライバーが片側二車線道路を並行して走っていて、それぞれが同時に右折、左折すれば、互いに右折の人は車両の左を、左折の人は右を接触してしまうのではないでしょうか?(乾いた棒)

みかみ先生からのお答え

交差点の曲がり方で、極端なハンドル操作は問題ですね。事故になりかねません。乾いた棒さんの遭遇した曲がり方は、自動車レースのテクニック「アウト・イン・アウト」です。

アウト・イン・アウトとは

曲がる手前で一度外側に寄せ、角の内側に接するように曲がり、曲がりきるにつれて再び外側に膨れる走り方です。外側から(OUT)内側に切り込み(IN)外側に膨れます(OUT)。

自動車レースでアウト・イン・アウトする理由

カーブを曲がる時には、車は外側に引っ張られます。つまり外向きの「G」(重力)がかかります。その「G」の大きさはスピードとカーブの半径によって決まります。カーブへの進入スピードが大きいほど、大きな「G」がかかり、限界を超えると耐えることができなくなり、外側へはみ出て事故になります。レーサーは限界ギリギリの速度でカーブへ進入するのです。

もう1つ、カーブの半径が小さいほど「G」が大きくなります。急なカーブほど半径が小さく「G」が大きくなります。同じカーブを曲がるなら、半径を大きくして曲がろうと言うのが、アウト・イン・アウトなのです。

一般道でのアウト・イン・アウトは危険

しかし、これはあくまで自動車レースの話で、一般道でこの走り方をするのは危険です。大きく膨らみすぎて、車線をはみ出す危険もあります。自動車教習所でも習いますが、一般道の交差点ではスピードを落とし、ゆっくり曲がることを心がけ、安全に右左折できるようにしてください。

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